導入
WordPressにAIが来た。
といっても、Automatticが運営するWordpressのホスティングサービスの中のこと。

プロンプトを入力するだけで、サイトのデザインが一瞬で出来上がる。
そして、速い!
ボタン、フォント、配色──数十秒でLPが完成する様子は、正直かなり気持ちいい。

だが、完成の次に待っていたのは「公開=課金」という現実だった。
触ってみた感想
実際に試してみると、デザイン生成の完成度は悪くない。
デザインはプロンプトでのヒアリングベースで進む。
シングルページのLPが自動で構築され、最低限の構成はしっかり押さえている。
ただし中身はかなり“無難”だ。
コピーは抽象的で、何ができるサービスなのかはややぼんやりしている。
言い換えれば、これは完成品ではなく「叩き台」に近い。
違和感の正体
最大の違和感はここだ。
・完成した瞬間にプラン選択を迫る
・お試し期間なし
このあたりの導線は、いかにも海外SaaSらしい“ドライさ”を感じる。

日本の感覚で言えば、
「触らせてから判断させてほしい」という一線を軽く越えてくる。
悪いとは言わない。それが彼らのご商売なのだから…
なぜ日本では刺さらないか
理由はシンプルだ。
・日本はセルフホストWordPress文化
・細かくカスタマイズする前提
・無料・お試しに慣れている
この前提に対して、WordPress.comのAI機能は
完成品を提示 → すぐ課金
という真逆の設計になっている。
MCPの位置づけ
今回のAI機能は、裏側ではMCP(Model Context Protocol)と呼ばれる仕組みで動いている。
ただし、これは「何かを作るAI」というより
WordPressの操作をAIで代行する仕組み
に近い。
つまり本質は制作ではなく、運用の効率化だ。
今後、JetPackとの統合が密になっていけば、化ける可能性は感じる。
なぜ今これを出したのか
ここが一番気になるところだ。
現在はAI Slop purgeの真っ只中。
検索エンジンは、量産コンテンツの排除に明確に動いている。
そんな状況で
AIで記事を書き、サイトを量産する機能
を前面に出してくるのは、やや時代の空気とズレている印象もある。
結論
WordPressのAI機能は確かに便利だ。
特に既存のWordPress.comユーザーにとっては、作業効率は上がるだろう。
ただし
日本のユーザーにとっては“第一選択にはならない”
デザインは一瞬でできる。
だが、その先の導線と思想が、日本の文脈とは合っていない。
別にいまにはじまった話ではない。
AI搭載で初心者にやさしいかといえば、そうはならない。
日本人がノーコードでWebサイトを作りたいなら、
Wixなどの定番を使うのが無難だろう。
「すごい」は感じた。
でも「これでいい」とは思えなかった。

