第1章 MIT AIラボという楽園
1970年代、MIT AIラボではソースコードは共有されるものだった。
プログラムは研究者たちの間を自由に行き来し、改良され、また共有された。
そこではソフトウェアは商品ではなく、知識だった。
若きプログラマ
Richard Stallman
は、この文化の中で育った。
第2章 プリンタードライバ事件
ある日、新しいプリンタが研究所に届く。
しかしドライバのソースコードは公開されていなかった。
メーカーはそれを企業秘密として扱った。
バグを修正することも
機能を改善することも
誰にもできない。
この瞬間、ストールマンは悟る。
ソフトウェアの自由は静かに失われている。
第3章 GNUという狂気
1983年、彼は宣言する。
「自由なオペレーティングシステムを作る」
それがGNUプロジェクト。
OSをゼロから作る。
コンパイラ
ライブラリ
ツール
シェル
全部。
普通の技術者なら無理だと言う。
だが、彼は言った。
「やる。」
第4章 自由を強制するライセンス
しかしソフトウェアは簡単に企業に取り込まれる。
そこで彼は一つの武器を作る。
GNU General Public License
GPL
その思想はシンプルだ。
自由なソフトウェアを改変したなら
その自由を次の人にも渡せ
自由を守るために自由を強制する。
これが
コピーレフト
である。
第5章 Linuxという現実
1991年。
フィンランドの学生
Linus Torvalds
がカーネルを書いた。
GNUツール+Linuxカーネル
それは
GNU/Linux
という形で
世界を変える。
ストールマンの思想は現実になった。
第6章 AIという新しい試練
しかし21世紀。
新しい問題が現れる。
生成AI。
AIはコードをコピーしない。
学習し
抽象化し
再生成する。
この瞬間
GPLの境界は曖昧になる。
AIはコピーレフトを
無力化するのか。
それはまだ誰にも分からない。
終章
自由は守られるのか
ストールマンはよく狂人と呼ばれる。
しかし歴史を見ると
文明を変えるのはいつも少し狂った人間だ。
ソフトウェアの自由。
それは当たり前のものではない。
一人の技術者の信念が
作った文化だった。
AIの時代に
その自由はどうなるのか。
その答えは
まだ書かれていない。




