Qualcomm、Armとの訴訟で全面勝訴──Oryon世代CPUの行方に追い風
2025年10月1日(米国時間)、米デラウェア州連邦地裁は、半導体大手 Qualcomm と英 Arm の間で続いていたライセンス紛争において、Qualcommの全面勝訴 を認定した。Arm側のすべての訴えは棄却され、裁判官はArmの再審請求も退けた。
訴訟の経緯と争点
この訴訟は、Qualcommが2021年に買収したスタートアップ Nuvia が、Armとの既存ライセンス契約(ALA)に違反してCPU設計を行っていたとArmが主張したことに端を発する。ArmはNuvia買収後、再ライセンス契約を要求したが、Qualcommは「既存契約内で正当に継承された権利」と反論していた。
2024年12月の陪審評決では、3件中2件でQualcomm勝訴。残る1件の評決不一致を経て、今回の判決によりArm側のすべての主張が最終的に棄却された。
判決の意味と影響
- Oryonアーキテクチャの独自展開が可能に
Qualcommは、Nuvia由来のCPUコア「Oryon」をArmとの再交渉なしで商用展開できる道を確保。今後登場する「Snapdragon X」シリーズなどに搭載予定のカスタムCPU開発が加速するとみられる。 - Armライセンスモデルへの打撃
Armが長年維持してきた「ライセンス契約更新の強制力」が法的に認められなかったことで、他社とのライセンス交渉にも影響を及ぼす可能性がある。 - 業界再編の引き金
自社設計コアへのシフトが進む中、この判決は「Arm依存からの脱却」という潮流を加速させる契機となる。
Arm側は控訴の構え
Armは直後に「判決には強く異議があり、控訴を検討する」と声明を発表。法廷闘争は2026年3月予定の反訴審理へと続く見込みだ。
まとめ
今回の判決は、Armが長年握ってきたライセンス支配構造に風穴を開けるものであり、半導体業界全体における知財バランスを大きく揺るがす可能性がある。Qualcommの勝利は単なる法廷決着ではなく、次世代CPUアーキテクチャの主導権争いにおける戦略的勝利といえる。
参考リンク: Qualcomm Press Release / Tom’s Hardware / Reuters

