Microsoft、Sentinel に Model Context Protocol (MCP) サーバーを導入へ — パブリックプレビュー開始
2025年9月30日(米国時間)、Microsoft は公式ブログにおいて、Microsoft Sentinel 向けに「Model Context Protocol (MCP) サーバー」を導入することを発表し、パブリックプレビュー提供を開始した。
MCP サーバーとは何か
MCP(Model Context Protocol)は、AI エージェントが外部アプリケーションやデータソースと安全かつ標準化された形で通信できるように設計されたオープン規格だ。今回 Microsoft は、Sentinel のデータレイク内にあるセキュリティコンテキスト(グラフ構造、テレメトリ、ベクトル埋め込みなど)を、AI が自然言語ツールとして扱えるようにアクセス可能にする MCP サーバーをクラウドサービスとして提供する。
この仕組みにより、AI エージェントは KQL(Kusto Query Language)などを意識することなく、たとえば「過去24時間のサインイン失敗を分析して要点を教えて」といったプロンプトで Sentinel 内のデータを操作・解析できるようになる。
主な特徴と初期対応
- クラウド型完全マネージドサービス:既存の Sentinel データレイク利用者は即座に MCP サーバーを利用可能。
- 統合ツール連携:GitHub Copilot(VS Code 経由)との接続サポートあり。プロンプトから直接 Sentinel のツールを操作可能。
- 拡張性とオープン性重視:MCP は他の AI プラットフォーム間での相互運用性を想定した規格。将来的なツールセット拡充が見込まれる。
意義と課題・懸念点
この発表は、セキュリティ運用と AI の融合をさらに一歩進めるものだ。特に「AI がセキュリティコンテキストを理解し、能動的に動ける」環境を提供する点が注目される。
ただし、導入にあたっては以下のような課題もある:
- アクセス制御・認可モデルの設計:AI にどこまで操作を許すかの厳格な管理が必須。
- 誤操作/誤判断リスク:AI が誤った推論・操作をしないような安全機構の整備。
- データプライバシー・機密性:センシティブなログや内部情報の取り扱いに対する保護強化。
- 対応範囲の限定性:現在はプレビュー版であり、対応可能なツールや規模が限られている可能性。
今後の展開に注目
Microsoft は今後、MCP ツールセットを拡充し、自然言語によるグラフ・テーブル・埋め込みデータの横断的操作を強化する計画と述べている。また、Security Copilot との統合も既に視野に入っており、将来的にはより高度な自律型セキュリティ AI の構成要素として機能する見通しだ。
参考: Microsoft Security Community Blog: Announcing Microsoft Sentinel MCP Server – Public Preview

