ChatGPTがGPT-5に進化 2025年6月までの知識とThinkingモードの真価

GPT-5-EOK-Thinking HowTo

GPT-5登場のインパクト

2025年8月、ChatGPTは待望の大型アップデートを迎え、標準モデルが最新の「GPT-5」へと一新されました。
これまでのようにモデルを選択する必要はなく、初期状態で全ユーザーが最新の知能を利用できる環境が整ったのです。

最大の特徴は、

  • 知識の更新時期(EOK)が2025年6月まで拡大し、直近の出来事や発表にも対応できること
  • 高度な推論モードである「Thinking」を備え、通常よりも深い分析や多角的な提案が可能になったこと

これにより、日常の調べ物から専門的な検討まで、出力の質と鮮度が大幅に向上しました。
旧モデル(GPT-4やGPT-4o)で感じていた「情報の古さ」や「分析の浅さ」が、ここに来て一気に解消されつつあります。

本記事では、

  1. GPT-5の概要と進化ポイント
  2. EOK(知識更新時期)2025.6を活かした最新知識デモ
  3. Thinkingモードとノーマルモードの創作比較

の3本柱で、実例を交えてGPT-5の実力を徹底解説します。

GPT-5とは何者か – 筆者の相棒紹介とEOK最新知識デモ

今回の記事で会話をしているのは、OpenAIが2025年8月に公開した最新の生成AIモデル GPT-5 です。
ChatGPTの標準モデルとして全ユーザーに提供され、特別な設定をしなくても、最初から最新の知能を使えるようになりました。

基本プロフィール

  • 開発元:OpenAI
  • 知識更新時期(EOK):2025年6月まで
  • 対応範囲:テキスト/画像/音声/コード生成まで幅広く対応
  • 会話スタイル:目的に応じて柔軟にトーンや深さを切り替え可能

モード構成

GPT-5には複数の動作モードがありますが、一般ユーザーが使えるのは以下の2つです。

  • ノーマルモード … 応答速度重視。日常的な調べ物や短時間で済むタスク向け
  • Thinkingモード … 内部的に高い Reasoning Effort 設定が適用され、情報の整理や多段推論、深い分析を得意とする

(Pro契約者向けに「GPT-5 Pro」もありますが、本記事では割愛します)


EOK 2025.6だから答えられる – WWDC 2025で発表されたmacOS「Tahoe」

GPT-5の大きな進化のひとつが、知識の最終更新時期(EOK)が2025年6月まで拡大したことです。
これにより、2025年6月時点の最新イベントや発表にも即座に対応できます。

例として、2025年6月9〜13日に開催された WWDC 2025 で発表された最新macOSについて尋ねてみました。

質問:Appleが2025年6月に開催したWWDC 2025で発表した新しいmacOSの名称と主な新機能は?
回答(抜粋)

  • 名称:macOS 26「Tahoe」
  • 新UI:Liquid Glass デザイン(透明で流れるような新インターフェース)
  • 新機能:Macで通話管理できるPhoneアプリ、Spotlightの横断検索強化、Live TranslationやGenmojiなどAI機能の追加
  • 対応:TahoeがIntel Macに対応する最後のバージョンに

旧モデルではこの情報は持っていないため、推測や古いmacOS名を出してしまう可能性が高いですが、GPT-5なら正確に回答できます。
最新知識を持っていることは、生成AIの使い勝手に直結する大きなアドバンテージです。

GPT-5の進化ポイント(前世代比較)

GPT-5は単なる世代交代ではなく、精度・機能・操作性の三方向で大幅に進化しています。
ここでは、前世代(GPT-4/GPT-4o)との違いを主要ポイントごとに整理します。


1. 推論精度の向上

  • 複雑な条件整理や多段階の論理展開に強くなり、誤答率が減少
  • 特に分析や比較が必要な課題では、Thinkingモードを活用することでより深い結論が得られる
  • 医療や法務など、慎重な判断が求められる分野での有用性が高まった

2. 最新知識への対応

  • EOK 2025年6月までの情報を保持
  • 直近のイベントや技術発表にも即応可能(例:WWDC 2025のmacOS 26「Tahoe」)
  • 最新動向を前提にした記事作成や企画立案に強い

3. マルチモーダル機能の強化

  • テキストだけでなく、画像・音声・動画の理解と生成に対応
  • 画像からの情報抽出、音声での会話、簡単な動画解析などが可能
  • 将来的な業務統合やクリエイティブ用途の広がりが期待される

4. 操作性とUIの刷新

  • モデル選択の簡略化(デフォルトはGPT-5、Thinkingモードは任意で切替)
  • 会話のパーソナリティ設定やツール連携の強化
  • ChatGPT内の操作フローがシンプルになり、初めてのユーザーでも使いやすい

5. コストと速度の改善

  • 処理速度が向上し、ノーマルモードでは従来より短時間で結果を得られる
  • Thinkingモードは時間をかける分、深い分析や多角的な視点を提供
  • API利用においてもコスト効率の向上が確認されている

GPT-5は、「最新知識」+「推論力」+「使いやすさ」を兼ね備えたモデルへと進化しました。
次章では、その中でも推論力を象徴するThinkingモード
について、詳しく見ていきます。

Thinkingモードとは

GPT-5の特徴のひとつが、通常モードとは別に用意された「Thinkingモード」です。
見た目はモード切替だけのように見えますが、内部では明確に設定が異なります。


1. 高 Reasoning Effort 設定

Thinkingモードは、API仕様でいう reasoning_effort が高く設定された状態 で動作します。
これは内部的に「推論にかける計算リソース」と「思考の段階数」を増やす指示であり、次のような効果があります。

  • 複数の条件や要素を段階的に整理しながら回答
  • ひとつの結論に至るまでに複数の仮説や視点を検討
  • ノーマルモードでは省略しがちな説明や根拠を補足

2. ノーマルモードとの違い

項目ノーマルモードThinkingモード
処理速度速い(短時間で結論)やや遅い(追加の思考プロセスを挟む)
回答の深さ単層的、必要最低限の説明多層的、背景や理由まで掘り下げ
発想の多様性無難な切り口が多い視点や着眼点が広がる傾向
適性日常的な調べ物、短文回答複雑な分析、比較検討、創造的課題

3. 向いているタスク

Thinkingモードは、次のような課題で特に効果を発揮します。

  1. 複雑な条件整理
    • 法律や規制条件、複数のパラメータを踏まえた計画作成
  2. 多角的な分析や比較
    • 複数案の長所・短所を並列評価する企画立案
  3. 創造性と論理性の両立
    • 小説や広告コピーなど、クリエイティブ案とその裏付けを同時に提示
  4. 重要な意思決定支援
    • 選択肢とその影響を構造的に整理

4. 注意点

  • Thinkingモードは常に優れているわけではない
    短時間で答えを出す必要がある場面では、処理時間の遅さがデメリットになる場合もあります。
  • 詳細な分析が不要な場合はノーマルで十分。
    使い分けが肝心です。

この「深く考える力」が実際にどれだけ差を生むのかを確認するため、次章では創作+構成案比較を題材に、ノーマルモードとThinkingモードを同条件で比較してみます。

実証:創作+構成案比較

GPT-5のThinkingモードがどれほど「深く考える」のかを示すために、今回は創作力+分析力を同時に試すお題を用意しました。
テーマはちょっと遊び心を込めて――

お題
『2045年の春日部』を舞台にした短編小説のあらすじ案を3つ作り、それぞれの長所と短所を分析してください。
条件:

  1. あらすじは1案あたり150〜200文字程度
  2. 長所・短所は箇条書き
  3. ジャンルは自由(SF、ヒューマンドラマ、ミステリーなど)

ノーマルモードの回答

ノーマルモードは、王道で分かりやすい構成案を提示してきました。
ジャンルの幅は出ていますが、全体的に既存作品にありそうな設定が多く、長所短所の分析も比較的表面的です。

(以下、ノーマル出力)

① SFサスペンス:「桜雲(おううん)の防壁」
2045年、春日部はAI制御の透明ドームで外界から隔離されていた。市民は「安全のため」と信じるが、青年・透は父の失踪に疑念を抱く。ドームの制御中枢に近づくうち、隔離の真実と父の足跡が交差し始める。

  • 長所:近未来都市×陰謀、親子の謎で感情軸、映える舞台設定
  • 短所:既視感のある設定、説明過多の恐れ

② ヒューマンドラマ:「最後の商店街」
春日部駅前の古い商店街は、2045年に完全閉鎖予定。八百屋の老主人・勝は、かつての客を呼び戻すイベントを企画する。そこに現れたのは、初恋の人だった。

  • 長所:人情味と郷愁、地域性の活用、短編向きの感情起伏
  • 短所:展開が予想しやすい、SF性や意外性に欠ける

③ ミステリーSF:「消えた春日部日報」
2045年、春日部の電子アーカイブから過去20年分の地方ニュースが消失。記者の美月は調査するが、関係者は「そんな記事は存在しなかった」と答える。失われた記録の中には彼女自身の失踪記事があった。

  • 長所:記憶と記録の食い違い、主人公が謎に巻き込まれる構造、社会性
  • 短所:短編での収束が難しい、SFとミステリーのバランス難

Thinkingモードの回答

Thinkingモードは、モチーフや舞台設定をひとひねり加え、春日部らしさやテーマ性をより濃く反映。
長所短所分析も物語構造やテーマ配分まで踏み込み、作品化した場合の課題を見据えています。

(以下、Thinking出力)

① SFサスペンス:「記憶の年表と大凧」
2045年、春日部市は高齢者の記憶をクラウドに保存し、AIが編纂する“公式年表”を公開。写真店主・湊は、大凧祭の映像で記録にない母の笑顔を見つける。断片を繋ぐほど、公式年表と個人の記憶が食い違い始める。

  • 長所:公的記憶と私的記憶の衝突、ご当地モチーフ活用、ミステリー要素
  • 短所:世界観説明が多くテンポ低下、題材に既視感の恐れ、着地の方向性に迷いやすい

② ヒューマンドラマ:「バスの声を辿って」
自動運転バスが走る2045年の春日部。千春は車内アナウンスの声が亡き父に酷似していることに気づき、音の記憶を辿る町歩きを始める。

  • 長所:“声”という具体的モチーフ、町歩きで風景を活写、結末のカタルシス設計可能
  • 短所:起伏不足の恐れ、感傷過多で凡庸化、技術説明過多のリスク

③ ミステリー/民俗ホラー:「消えた住所」
土地のデジタル再編で“存在しない住所”が生まれた2045年の春日部。配達員・斎藤は夜だけ地図に現れる路地への荷物を託されるが、そこは40年前に消えた町内会だった。

  • 長所:地図×怪異の新鮮さ、再開発と忘却の社会テーマ、構造ミステリとしての回収可能性
  • 短所:ルール設計の複雑化、ラストの理屈不足で肩透かし、ホラー要素で好みが分かれる

並べて比較 – ノーマル vs Thinking

ジャンルノーマルモードThinkingモード
SFあらすじ:2045年、春日部はAI制御の透明ドームで外界から隔離。青年・透は父の失踪の謎を追い、ドームの真実に迫る。長所:近未来都市×陰謀、親子の謎、映える舞台設定短所:既視感のある設定、説明過多の恐れあらすじ:2045年、春日部は高齢者の記憶をクラウド保存し、AIが編纂する“公式年表”を公開。大凧祭の映像で母の笑顔を見つけた湊は、公式記録と個人の記憶の齟齬に直面する。長所公的記憶と私的記憶の衝突、ご当地モチーフ活用、ミステリー要素短所:世界観説明でテンポ低下、既視感の恐れ、結末方向の迷い
ドラマあらすじ:春日部駅前の商店街は2045年に閉鎖予定。老主人・勝は昔の客を呼び戻すイベントを企画し、初恋の人と再会する。長所:人情味と郷愁、地域性活用、短編向き短所:展開予想が容易、SF性や意外性に欠けるあらすじ:自動運転バスが走る春日部。千春は車内アナウンスの声が亡き父に似ていることに気づき、音の記憶を辿る町歩きを始める。長所“声”という具体的モチーフ、風景活写、カタルシス設計可能短所:起伏不足の恐れ、感傷過多で凡庸化、技術説明過多のリスク
ミステリーあらすじ:春日部の電子アーカイブから過去20年分の地方ニュースが消失。記者・美月は調査するが、関係者は「そんな記事はなかった」と答える。失われた記録の中に自分の失踪記事があった。長所:記憶と記録の食い違い、主人公が謎に巻き込まれる、社会性短所:短編での収束が難しい、バランス難あらすじ:土地のデジタル再編で“存在しない住所”が生まれた春日部。配達員・斎藤は夜だけ現れる路地への荷物を託されるが、そこは40年前に消えた町内会だった。長所地図×怪異の新鮮さ、再開発と忘却テーマ、構造ミステリの可能性短所:ルール複雑化、理屈不足で肩透かし、ホラー要素で好みが分かれる

比較から見えること

  • Thinkingはモチーフや舞台のひとひねりが効いている(大凧祭、声、住所など)
  • 長所短所の分析が物語構造やテーマ配分に踏み込んでいる
  • ノーマルは王道で安全な構成、Thinkingは挑戦的で独自性のある構成

Thinkingモードの使いどころ

6章の比較からも分かるように、Thinkingモードは多角的な視点深い分析を必要とする課題で特に力を発揮します。
一方で、短時間の単純な調べ物にはノーマルモードのほうが効率的です。
ここでは、Thinkingを積極的に選びたいシーンを挙げます。


1. 創作・企画立案

  • 小説・シナリオのアイデア出し
  • 広告コピーやキャンペーン企画の多案比較
  • ゲーム設定や世界観の構築

2. 評価・改善提案が必要なタスク

  • 複数案の長所短所を比較する商品企画
  • プレゼン資料や仕様書の改善点洗い出し
  • ブログ記事や原稿の構成評価

3. 複雑条件下での意思決定支援

  • 制約条件の多いプロジェクト計画
  • 複数シナリオのリスク比較
  • 法律・規制条件の整理と選択肢提示

4. 学習やトレーニングのサポート

  • 難解な理論や仕組みの段階的説明
  • 「なぜそうなるのか」を掘り下げる質問応答
  • 演習問題の解法手順を丁寧に解説

ポイント:Thinkingは「深さ」と「多様性」を武器にするため、すぐに答えを出す必要がない場面でこそ真価を発揮します。
一方で、速報性や軽い雑談・調べ物はノーマルモードのほうが向いています。

まとめ

2025年8月、ChatGPTは標準モデルをGPT-5へ刷新し、全ユーザーが最新世代の知能を利用できるようになりました。
今回の進化のポイントは、大きく3つです。

  1. EOK 2025.6 – 最新の知識で直近の出来事や発表にも対応
  2. 推論力の向上 – 複雑な分析や創造的課題への適応力が強化
  3. 操作性アップ – モード選択やUIの改善で使いやすさが向上

特にThinkingモードは、通常モードに比べて発想の多様性と分析の深さが際立ちます。
創作や企画立案、条件整理を伴う意思決定などでは、その差が明確に表れました。

一方で、速報性や軽い調べ物にはノーマルモードが向いており、場面による使い分けが重要です。


最後に
もしあなたが既にChatGPT Plusを利用しているなら、今日からGPT-5を自由に使えます。
ぜひ、普段の作業やアイデア出しで同じお題をノーマルとThinkingの両方に投げてみてください。
きっと、AIが「深く考えたとき」の違いを実感できるはずです。