Vision AI は「理解している」── Qwen-3-VL に写真を食わせたら、想像以上に“見えていた話”

透明なガラス球を手のひらに載せた写真。球体の内部に光が反射し、AI が視覚情報を理解することを象徴している。 TECH

── Qwen-3-VL に写真を食わせたら、想像以上に“見えていた話”

写真を整理していたときのことです。

あれ? この写真、名札写ってるじゃん…。
 あ、こっちはナンバー映ってる…

人生で一度は必ず経験するやつ。
「この写真、そのまま SNS に出していいんだっけ?」問題です。

  • 顔 → モザイク
  • ナンバー → 塗りつぶし
  • 名札 → トリミング

1枚ならまだいい。
1000 枚あったら 地獄


■ Qwen Vision に画像を読み込ませた:まずは実験

“画像を理解する AI“── Vision LLM(Qwen-3-VL-4B)を使って、

「この画像からわかることを説明してください」

と聞いてみた。

軽い気持ちで。

そしたら 返ってきた答えが、完全に想像の外だった。


■ Qwen-3-VL は「画像を読む」:理解のレベルが違った

子供が公園で遊んでいる写真を見せたとき。

Qwen3-VLでの画像認識結果。
Objects: 子どもが遊具の棒に手をついてバランスを取っている, 背後には緑色の恐竜型遊具が置かれている, さらに奥には別の子どもが遊具の上に座っている, 背景には公園の建物と木々が見える

Qwen3-VL-4B の返答:

「子供が遊具の棒に手をついてバランスを取っている。
 背後には緑色の恐竜型遊具が置かれている、奥には別の子どもが遊具の上に座っている」

恐竜の遊具?
別の子ども?

…見えてる。解釈してる。


別の写真。
胸元に名札がぶら下がっているビジネス写真。

Qwen3-VLでの画像認識結果。
Objects: デスクートの上着(ダークブルー), 白いシャツ, ブルーとブラウンのストライプ柄ネクタイ, 名札(「有限会社渡辺堂」、「渡辺宗茂」)

画像引用:https://www.watanabedo-nametag-sign.jp/nafuda-tomegu.html

Qwen3-VL-4B の返答:

「名札。「有限会社渡辺堂」、「渡辺宗茂」
ブルーとブラウンのストライプ柄ネクタイ」

名札そのものだけじゃなく、

  • 名札という概念
  • 社名や氏名を認識できている
  • 衣類の特徴を明確に理解できている

状況まで理解している。

ヤバい。


次の写真。
車のフロントのアップ。

”クォータロ” は御愛嬌w

Qwen3-VLでの画像認識結果。
Objects: ホワイトのアウディ車, フロントグリル(4つのリングロゴ), ライセンスプレート:「*************」, クォータロ(Quattro)のエンブレム

Qwen3-VL-4B の返答:

「ホワイトのアウディ車、
ライセンスプレート「〇〇-〇〇」が見えます。」

(※実ナンバーはこの記事では伏せています。ナンバーの認識は一字一句正解でした)

文字を読み取れるレベルで見ている。

僕はこの瞬間、震えた。

「あ、これ完全に個人を特定できる情報だ……」

人間が“うっかり”見逃す領域を、
AI は容赦なく拾いにいく


■ Vision AI の本質:画像解析ではなく “意味理解”

AI は、

  • 画像を “解析” しているのではなく
  • 写真を “読解” している

AI は、写真の中身を理解してしまう。

ここが、OCR や古い画像認識との決定的な違い。


■ 画像 × 個人情報:AIは何をどこまで認識する?

写真を公開する際の最大の敵は、

「個人情報が写っていることに気づかない」

という“無意識”。

Vision AI はそこを撃ち抜く。

人間より先に気づく。

「これ、名札が写っていますよ」
「ナンバーが読めます」
「他の子どもが写っています」

AIは、未然に止めることができる。


■ AIは個人情報を認識できても、ぼかすことはできない

Vision AI ができるのは 判断

  • これは個人情報か?
  • 公開しても安全か?

しかし、画像をぼかす処理はできない。

そこは別の技術(deface / OpenCV / YOLO)が必要。

しかし、最も重い作業は、もう AI がやってくれる。

「気づく」という一番面倒くさいところを
 丸ごと自動化できる時代になった。


■ 結論:AIが見抜く時代に、人が決断する

  • AIは写真に写っている内容を「理解」できる
  • 名札やナンバーなど個人特定情報を認識できる
  • 公開前に危険な画像だけ抽出できる未来が確実に来る

Vision AIは、写真を理解する。

僕の中で、パラダイムシフトが起きた。

もはや画像は“アップロード前にAIに相談する時代”。