スマホSoC大手のQualcommがArduinoを買収。ESP32に押され気味だったArduino陣営に新たなテコ入れが入り、IoT開発基盤を取り戻す構えだ。
Arduino社を完全買収することで合意
Qualcommは10月8日、オープンソースハードウェアの象徴であるArduino社を完全買収することで合意したと発表した。買収額は非公表だが、Arduinoの既存ブランドと開発者プラットフォームは存続する見込み。今回の買収により、QualcommはAI対応マイクロコントローラやIoT向けチップ統合の裾野を大きく広げる。
発表によると、Arduinoの開発環境「Arduino IDE」やクラウド連携サービスは引き続き独立運営され、今後はQualcommのSnapdragonおよび低消費電力SoC群との統合が進む。これにより、AIアクセラレーションやEdge推論を備えた“次世代Arduino”が登場する可能性が高い。
背景には、ESP32(Espressif Systems)によるシェア拡大がある。Wi-Fi・Bluetooth対応と価格性能比で圧倒的優位を築いたESPシリーズに対し、Arduinoは教育・プロトタイプ用途に留まる状況が続いていた。Qualcommはこの構造を打破し、“AI+無線+セキュアIoT”の統合開発基盤を目指すとしている。
QualcommのCristiano Amon CEOは次のようにコメントしている。
「Arduinoコミュニティは世界最大の開発者ネットワークの一つ。私たちはこの力を、AI時代のIoTデバイス開発に直結させる。」
IoTハードウェアの戦線は、ESP32、Raspberry Pi、そして新生Arduinoの三つ巴へと再び動き出した。

