最新の ネットワークカメラの実力 – Wansview Q6

WANSVIEW Q6 のインプレッション TECH
WANSVIEW Q6 のインプレッション

 ホームサーバーを作ったら、急に DVR ( Network Video Recorder ) を動かしたくなって、最新のネットワークカメラが欲しくなり、Amazon で一番お安いものを購入してみたので、軽くインプレッション。

Wansview Q6 について 

 中国と言えば、監視カメラ大国。天網 ( tenmou )と呼ばれる国家的監視ネットワークを構築して、2億台以上のカメラが稼働しているといいます。モノの価格が量産効果によって低下するのは常識であり、そのセオリーに則れば、いま世界で一番ネットワークカメラの類を安く生産できる国と言えば中国で間違いないでしょう。コンシューマ向けのネットワークカメラメーカーもたくさんありますが、大体中身は共通で、ガワも似たようなもの。同じ顔をしてメーカーロゴだけ違う商品がたくさん Amazon に並んでいます。

選定の基準

  • RTSP 対応 ( H.264 )
  • WiFi対応
  • 1080p の解像度
  • USB 給電
  • ともかくお安いこと

 いま時のモデルならば、高望みということはないと思います。ということで、一番お安いものを選んだ結果、Wansview Q6 という 3千円ちょっとの廉価なモデルを購入しました。

 メーカーのホームページがショボいです。仕様書もありませんw。

Q6 2MP ネットワークカメラ

Q6 の使用感をチェック

 Unboxing は他の方の動画を参考にしてください。

リモートパン&チルト対応の多機能ぶり

 特に求めたわけではありませんが、リモートからのパン・チルトに対応しています。もはや、これに対応していないネットワークカメラなど見つけることが難しいくらいな感じです。私に使い道はあまりありませんが、用途によっては重宝するでしょう。

 パンニングで筐体が丸ごと派手に旋回する姿は、宛らCIWSのようですw。

いま時、Wi-Fi は 2.4GHz のみ対応

 これだけ多機能なのに、5G帯には非対応です。在庫が積み上がった2.4Gの通信チップを使ってお安く仕上げているのでしょう。まぁ、実質問題はありません。

ACアダプターはついていない

 Micro-B の USBケーブルは付属しています。5V / 1A のものが要求されています。Type-C以前の古いスマホで使っていたものが適当に利用できるでしょう。

アプリはスマホ/PCともに用意されている

 中華製品お得意のQRコードによる設定ができます。スマホアプリ( Android )しか試していませんが、ユーザー登録を強要されること以外、特に問題なく設定ができます。

 アプリの使い心地は良好でした。画質・応答速度は良好で、パン・チルトの操作をはじめ、ライトなど大抵の操作がアプリ上で行えます。

外出先からの接続にはクラウドサブスクリプションが必要

 ホームページに記載はあるのでしょうか?見つけられませんでした。アプリから登録が可能です。基本・拡張・プロ・基本プラス・基本AIプランと、もう訳の分からない構成です。一番お安い基本プランで9,800円 / 年 でした。私は使う気がないので、「外からペットの様子をリアルタイムで見たい!」という人は結構痛い出費ですね。典型的なサブスクビジネスで、その分カメラ本体がお安く出回っているのは私のような者にとってはありがたいことです。

 一方、監視カメラとして使用するということならば、動態検知トリガーによる録画データをマイクロSDカード(別売)に記録することができるようなので、サブスクなしの運用は可能でしょう。

解像度は 1080p と 480p

 スマホアプリから 1080p の映像を見ると、大変きれいです。夜間、街灯直下の明かりでも見られる絵が出ています。しかし、エッジを際立たせる絵作りが過ぎるようでギトギトした印象ですが、価格を考えれば十分キレイといえるでしょう。

 480pは使いたくなる画質ではありませんでした。1080p/480p ともストリームは同時に流れているようで、NVRを併用した場合に480p は動体検知、録画は1080p という使い方を想定しているような感じです。

他にも機能満載

 プライバシーエリアの設定やら、オフタイマーやら、赤外線ライトやら、凡そ考えられる機能が搭載されているので、機能の不足で困ることはなさそうです。

RTSP 接続してみる

 これが本題です。

 RTSP の設定はスマホアプリから行います。ここで接続URLを確認しておきます。マニュアルには、iSpy との接続設定方法の記載があり、 RTSP で使ってくれと言わんばかりです。

RTSP の URL

 RTSP 接続時は 15fps のようで、カクカクするのは帯域の問題ではないようです。 まぁ、監視カメラの映像と思えば十分でしょう。

1080P
rtsp://ユーザーID:パスワード@IPアドレス:554/live/ch0
480P
rtsp://ユーザーID:パスワード@IPアドレス:554/live/ch1

VLCメディアプレイヤーから RTSP 接続

 VLCメディアプレイヤーは、RTSPクライアント機能を持っています。本当に素晴らしいソフトですね。手放せません。

ファイル -> ネットワークストリームを開く -> ネットワークプロトコル

 にURLを入力して接続するだけです。

Wansview Q6 に RTSP接続 / 1080p
Wansview Q6 に RTSP接続 / 1080p

 昼間の映像は、動画ならばキレイに見えます。ただ、気のせい以上にスマホアプリのほうが映りが良いようです。しかし、エッジ処理がキツ過ぎますよね?タイムスタンプはカメラ側からの出力です。

Wansview Q6 に RTSP接続 / 夜間/ 1080p
Wansview Q6 に RTSP接続 / 夜間/ 1080p

 暗所性能はかなり高い気がします。車のライトが近づくと盛大にフレアが出ますので、フレーミングには気を付けましょう。

 ちなみに、窓枠のところに雀ちゃんがご就寝なのがお分かりでしょうか?ビックリしましたw。こんな狭いところで寝られるんですねぇ‥。片羽根が収まりきっていないのはご愛嬌。しかし、野生動物がこれだけ至近で寝る気が起きるほど存在感を消しているあたりは監視カメラとして合格でしょう。

 珍しい映像が取れたので、動画も載せておきます。Q6 の暗所動画性能の参考にもなるでしょう。

Wansview Q6 の夜間撮影に雀ちゃんが映りこんだ

 VLCメディアプレイヤーのRTSPストリームをフルスクリーン表示したものを、1080pの画面ごとキャプチャしたものです。レンズは完全にパンフォーカスですが、それにしても15cmの至近距離にこれだけピントがきているのは驚きでした。自動車が通るたびに反射的にくちばしがパクパクして可愛いですね。

外部からの RTSP でエラー発生

 ローカルからのWiFi接続では何の問題もなかったのですが、ルーターのポート開放で外部からDDNSで RTSP 接続を試してみたところ、最初の10秒くらいは表示できましたが、その後接続エラーとなり、電源を引っこ抜いて再起動しないと復活することはありませんでした。このアプローチはペット監視には向かないようで、おとなしくクラウドサブスクリプションにお布施をしたほうがよいようです。ちなみに、1080pでしたから、480pならば安定したのかもしれませんが、未検証です。

 スマホアプリ経由だと安定するという意見がネットで散見されたので、何か特殊なプロトコルを使用しているのかもしれません。サポートとスッタモンダするのは面倒なので、そのような用途には、HikeVision のお高いカメラを買ってね!という暗黙のメッセージと受け取り、諦めることにしました。

パーソナルな監視カメラとしては価格に十分な価値

 廉価版で処理性能に限界があるのでしょう。それ故か、安定性に問題があるので、業務での利用は一切推奨できません

 Amazon のレビューはサクラだらけでアテになりませんが、Googleのスターレーティングの☆☆★★★は妥当な評価かな、と思います。

 WiFiを活かして、モバイルバッテリとの組み合わせで完全ワイヤレス運用ができそうなので、夏休みの研究にバードウォッチングに使うとかは面白そうです。LEDライトとスイカを近傍に設置して昆虫観察などにも使えそうです。

 総括として、ローカルでの使用と前置すれば、3千円のおもちゃとしては面白い買い物です。個人的には、パンチルターをなくしてレンズの性能向上にコストを向けたモデルに期待したいところです。

 耐久テストの結果は後日ご報告する機会があるかもしれません。

 なお、中華カメラなので、プライバシーに関わるところでの使用には十分ご注意ください。

 iSpy での使用がメーカー推奨であるようなので、後日、TrueNAS SCALE の TrueCharts のリストにある iSpy をデプロイして NVR 環境の構築を試してみようと考えています。

後日談

 その後、もう少し触ってみて判ったことがあったので、追記しておきます。

カメラもエンコーダーもかなり高性能でした

 ffprobe してみて判明しましたが、かなりの高性能でした。解像度は1080p を超え、エンコーダーは hevc ( H.265 ) でした。

ffprobe version N-111584-ga4e616824b-20230722 Copyright (c) 2007-2023 the FFmpeg developers
  built with gcc 13.1.0 (crosstool-NG 1.25.0.196_227d99d)
  configuration: --prefix=/ffbuild/prefix --pkg-config-flags=--static --pkg-config=pkg-config --cross-prefix=x86_64-w64-mingw32- --arch=x86_64 --target-os=mingw32 --enable-gpl --enable-version3 --disable-debug --enable-shared --disable-static --disable-w32threads --enable-pthreads --enable-iconv --enable-libxml2 --enable-zlib --enable-libfreetype --enable-libfribidi --enable-gmp --enable-lzma --enable-fontconfig --enable-libvorbis --enable-opencl --disable-libpulse --enable-libvmaf --disable-libxcb --disable-xlib --enable-amf --enable-libaom --enable-libaribb24 --enable-avisynth --enable-chromaprint --enable-libdav1d --enable-libdavs2 --disable-libfdk-aac --enable-ffnvcodec --enable-cuda-llvm --enable-frei0r --enable-libgme --enable-libkvazaar --enable-libass --enable-libbluray --enable-libjxl --enable-libmp3lame --enable-libopus --enable-librist --enable-libssh --enable-libtheora --enable-libvpx --enable-libwebp --enable-lv2 --enable-libvpl --enable-openal --enable-libopencore-amrnb --enable-libopencore-amrwb --enable-libopenh264 --enable-libopenjpeg --enable-libopenmpt --enable-librav1e --enable-librubberband --enable-schannel --enable-sdl2 --enable-libsoxr --enable-libsrt --enable-libsvtav1 --enable-libtwolame --enable-libuavs3d --disable-libdrm --disable-vaapi --enable-libvidstab --enable-vulkan --enable-libshaderc --enable-libplacebo --enable-libx264 --enable-libx265 --enable-libxavs2 --enable-libxvid --enable-libzimg --enable-libzvbi --extra-cflags=-DLIBTWOLAME_STATIC --extra-cxxflags= --extra-ldflags=-pthread --extra-ldexeflags= --extra-libs=-lgomp --extra-version=20230722
  libavutil      58. 14.100 / 58. 14.100
  libavcodec     60. 22.100 / 60. 22.100
  libavformat    60. 10.100 / 60. 10.100
  libavdevice    60.  2.101 / 60.  2.101
  libavfilter     9.  8.102 /  9.  8.102
  libswscale      7.  3.100 /  7.  3.100
  libswresample   4. 11.100 /  4. 11.100
  libpostproc    57.  2.100 / 57.  2.100
Input #0, rtsp, from 'rtsp://Ofz0GMkp:XgLq74o4ghZ3hDb3@192.168.1.52:554/live/ch0':
  Metadata:
    title           : streamed by RTSP server
  Duration: N/A, start: 0.067000, bitrate: N/A
  Stream #0:0: Video: hevc (Main), yuv420p(tv, bt709), 2304x1296, 15 fps, 29.92 tbr, 90k tbn
  Stream #0:1: Audio: aac, 8000 Hz, mono, fltp

 最廉価モデルのはずですが、ソフトウェアロジックは上位と同じものを使っているのでしょうかね。そして、プロセッサーの性能が低いために不安定になっている感じかなぁ。

RTSP 接続エラー発生後も、カメラ自体は生きていることが多い

 デコーダー(VLCとか)で映像が途切れてしまうのは、カメラからのストリームが不安定なために閾値を跨いてエラーの判定をもらっているようでした。その後、しばらくしてから再接続をすると、何食わぬ顔で再接続は可能でした。RTSP が黙った後でも、スマホアプリでは接続は可能という謎現象も確認。ちなみに、スマホアプリからなら、カメラに再起動のシグナルを送ることができます。

 LANからの接続では、許容の範囲に収まるのか、接続エラーは滅多に起きないものの、WANからの接続ではレイテンシーの厳しさも加わってか、15秒くらいで接続エラーになる状況。そりゃあ、2304x1296なんて送っていたら厳しいよねぇ、と思ってSD( 640 * 360 )でも試してみたが、やはり15秒くらいでノックアウト。これは帯域の問題ではなく、サブスクを売りたいがための恣意的な仕様を疑わざるを得ない‥w。

 2304x1296 でスマホアプリから接続した場合に帯域幅が画面に表示されるのですが、目視で下が28KB/sec で上が120KB/sec、Average は40KB/sec な感じ(あまり変わり映えのない景色だったので)。hevc なので、それほど帯域消費は大きくありません。単位は Kbyte なのでお間違いなく。

 LAN内からは安定していると言いましたが、VLC で RTSP 接続のストりームを録画していると、これもやはり数十分くらいで接続が切れてしまっていました。要は、メーカーのアプリ範囲を超えて使おうとすると、不安定で使い物にならそうということに違いはなかったのですが。